商品情報

薪ストーブご使用者さまへのアンケート調査報告書 2015

 今春も、薪ストーブご使用者様の為のストーブ講習会(主催:京阪エンジニアリング様)が5月2日、竜王町ドラゴンハットにて開催されました。毎年ご参加者が増えられる中、今年は1,000人規模の集まりとなり、自然志向の高まりをひしひしと感じられるようになって参りました。

 講習会は、基本となる煙突掃除や本体の手入れの仕方について、実機とモデルをつかっての実践的な学習を行われています。また、より良い使い方のテクニックやピザなどの調理や試食も楽しめ、ユーザーさんと全スタッフの方たちとの懇切丁寧なふれあいの中で、不明な点などもどんどんクリアーされ、皆様方のレベルアップは着々と進んでいる様でした。また、薪ライフに関連する、道具(メンテナンス・薪作り)や用品なども多数展示され、関係会社や団体さんも楽しく熱意をもって説明に当たられていました。

 薪文化でも、商品を展示させて戴いてます。毎年、お客様から頂いた貴重なご意見やご質問は、より良い薪環境を育むための指針となっています。

 そのような中で、ご使用者さまの貴重な情報を集約した今後に活かせるような資料作りを考え、薪や薪ストーブに関するアンケート調査を企画いたしました。(率直なご回答を頂けるよう無記名方式としています。)お忙しい中、アンケートにご協力頂いたお客様へ深く感謝申し上げます。

 次に、ご回答を得られた78軒のアンケート10項目と考察をまとめました。このアンケート結果が、薪ストーブのご使用者さまやこれからご検討される方々も含め、薪に関わるすべての皆様方の参考となれば幸いです。

【Q1】年間のご使用量はどれくらいですか?

   (ナラ薪40cm60束で1㎡=約500kg)

【考察】
年間2トンまでの消費者は59%と朝晩と週末の使われ方が多いようです。また、2トン以上の主暖房としての使われ方は全体の1/3程となっています。薪文化のお客様平均使用量も3㎥(約1.5トン)なので、アンケート調査と同等の結果でした。


【Q2】薪のご購入で困られたことはありますか?

【考察】
価格が高いとのご回答が多く、薪文化としてもこれからの課題です。(薪文化価格ではナラ薪約2トンは118,000円(送料別)となり、30,000円/月ほどの消費量にります。)次に、薪の搬入や置き場所に苦労されており、市街地での住宅事情もありますが、Q1に示された容積(4㎥)を新築時などには配置計画することが得策と言えるでしょう。


【Q3】これまで、薪の品質に問題はありませんでしたか?

【考察】
半数で問題がないとのご回答を得られました。乾きが悪いのご回答は大きな問題です。わたしを含めて薪生産者の厳格な管理が求められます。なお、お客様の保管段階での乾燥状態も加味される為、適切な薪保乾(ほかん!)は双方で保つことが大切です。虫については、自然乾燥での薪生産者がほとんどであり、どうしても避けられないのも現実です。問題はないとご回答していただいた方のなかにも虫はあると思いますが自然なものとして寛容して頂いているのでしょう。今のところ使用直前に外で掃うのが一番の方法です。(但し、シロアリなどは全くの別問題であり乾燥方法が間違いです。)また、人工乾燥では、余分なコストアップと乾燥後の再侵入もあり、ベストな対策としては難しいです。


【Q4】 ストーブの焚き始めはスムーズですか?

【考察】
87%の方は焚き始めがスムーズとのご回答です。京阪さんのご指導の賜物ですね。焚き始めが一番重要で、近隣への臭いや煙の問題もこの時が一番大きくなります。ご苦労されている方は具体的な解決策がありますので、プロの方からの早めのアドバイスを得られることをお勧め致します。


【Q5】薪割りはどうされていますか?

【考察】
ほとんどの方が薪割りをされており、全部を自分でこなされる方が16%は薪文化での玉切り丸太販売の倍ほどのご回答数でした。Q5のご回答が裏付ける様に適切な薪のサイズを自給されていることがうかがわれます。


【Q6】薪の保乾はどのようにされていますか?

【考察】
薪の保管に関しては、屋根なしが13%であり、ほとんどは雨対策をしているというご回答です。乾燥初期の雨ざらしは腐食の点で問題とはなりませんが、一定後は雨に当てることで腐食が進行します。横からの吹き降りはある程度許容されても直接雨に当てるのは薪としてはマイナスでしかありません。また、地面からの湿気やシートで包みこんでの蒸れた状態などは一向に乾燥が進みません。薪表面にかび臭が感じられるようならば風通しの対策が必要です。陽当たりは良いにこしたことはありませんが、一番重要なのは風通しです。燃料として高品質に育てられるユニークな「薪」、保乾が良ければ3年を限度に乾燥熟成してお使いください。


【Q7】ストーブから薪の保管場所までの距離はどれくらいありますか?

【考察】
重量物の薪だからこそ毎日の動線距離は重要です。概ね7割の方が10m以内とのご回答で計画的に配置されたようですね。15m以上のかたは色々な事情の結果でしょうが、薪の保乾を第一に熱効率の良い薪を使うことで最大効果が得られます。重たさよりも引きしまった乾燥薪で楽してください。


【Q8】これまで臭いや煙での苦情はありましたか?

【考察】
苦情がないが92%のご回答です。慣れない頃はどうしても煙を出してしまうものですが、この結果は近隣との友好な関係を持たれている証といえるのかもしれません。臭いの問題、田舎ならばともかく都会では嫌がられる場合が多くあり、苦情があった6軒のその後をお聞き出来ていませんが、最適燃焼で臭いは最小限になります。湿った薪は臭いや煙の発生源となり、薪生産者としての責任は重大です。


【Q9】メンテナンスはどうされていますか?

【考察】
ご自分でメンテナンスをされる方が97%にはビックリしました。素晴らしいですね。メンテナンスをすることで薪の状態や運転結果が判ります。これからもお手入れを楽しんで頂きたいと思います。


【Q10】ストーブの灰はどうされていますか?

【考察】
畑や庭での土つくりに灰を活かされているんですね。薪の重量の1~2%程度しかできない灰、だからこそ作ろうとすれば大変です。高性能なストーブから生まれる灰は純度も高く価値があります。可能性の塊かも。